刺繍のほつれ・糸のループに気づいたら|着用後の確認と連絡のしかた
着用後に刺繍の糸が浮いたり飛び出したりしたら、引っ張らず、切らずに、その服の着用と洗濯をいったん止めます。次に、写真と「いつ気づいたか・何回着たか・どう洗ったか」を記録して、依頼先に連絡します。
不良にあたるかどうかは、注文前とサンプル承認の時点で合意した内容と照らして判断します。記録がそろっていると、この照合が早く進みます。
家庭での洗い方と予防は刺繍入りの服の洗濯、受け取った時点の検品は刺繍の検品で見る項目で扱っています。ここでは、着たあとで気づいた場面に絞ります。
症状の見分け表
「ほつれ」とひとまとめにせず、見た目で症状を分けて記録します。原因の特定は現物を見てから行うため、ここでは見分け方だけを示します。
| 症状 | 見た目 | 記録するときの言い方 |
|---|---|---|
| 糸のループ | 糸が輪になって表に浮いている | 「◯の文字の上に輪が1つ」 |
| 糸の飛び出し | 糸の端が表に出ている | 「端が◯mmほど出ている」 |
| 面のほどけ | 塗りつぶしの面の糸が抜け、下の生地が見える | 「面の一部がほどけて生地が見える」 |
| 縁の傷み | 刺繍の縁の生地が裂けている・穴がある | 「縁の生地に穴」 |
| 毛羽立ち | 糸の表面がけば立っている | 「表面がけば立ち、つやがない」 |
症状の言い方をそろえておくと、写真と文章で同じものを指せます。
その場でしておくこと
気づいたときの扱いで、確認できる情報が変わります。
| すること | 理由 |
|---|---|
| 着用と洗濯をいったん止める | 症状が広がる前の状態を残せる |
| 糸を引っ張らない・切らない | 周りの糸までほどけることがある。元の状態が分からなくなる |
| 該当の服を袋などに分けて保管する | ほかの服と混ざらず、現物を確認に出せる |
| 同じ時期に作った服を確かめる | 1枚だけか、複数で起きているかが分かる |
着る人が自分で糸を切ってしまうと、どこから出た糸なのかが追えなくなります。スタッフに配った服なら、気づいたら担当者に知らせる、という一文を配布時に添えておきます。
症状の記録表
1枚ごとに、次の表を埋めます。分からない欄は「不明」と書き、空欄にしません。
| 記録項目 | 書き方 | 記入例 |
|---|---|---|
| 品番・色・サイズ | タグや納品明細から | OE1116・黒・L |
| 刺繍の位置 | どこの刺繍か | 左胸のロゴ |
| 症状 | 上の見分け表の言い方で | 「R」の上に糸のループ1つ |
| 写真 | 表の全体・表の拡大・裏・定規を当てたもの | 4枚 |
| 気づいた時期 | 日付 | 10月上旬 |
| 着用の回数 | おおよそで可 | 週2回・約1か月 |
| 洗い方 | 洗濯機かどうか、ネット、乾燥機、クリーニング | 洗濯機・ネットなし・乾燥機あり |
| 心当たり | 引っかけた・擦れたなど | リュックの肩ひもが当たる位置 |
写真は、表の拡大だけでなく裏も撮ります。裏の糸の状態は、表だけでは分からない情報です。
複数枚で起きているかを確かめる
ユニフォームのように同じ物を何人もが着ている場合は、範囲を確かめると判断の材料になります。
- 何人に配ったうち、何人に同じ症状があるか
- 症状が出た服の色・サイズに共通点があるか
- 着方や洗い方が違う人どうしでも起きているか
- 未使用の予備に、同じ箇所の異常がないか
未使用の予備がある場合、その状態は大事な比較材料です。着用・洗濯していない服で同じ箇所に異常があれば、それも記録に加えます。
連絡するときに送る項目
依頼先には、次の項目をまとめて送ります。
- 注文の時期と、注文番号・見積書の番号など注文を特定できるもの
- 品番・色・サイズと、症状がある枚数(配った総数も)
- 症状の記録表と写真
- 承認したサンプルや、承認記録があればその内容
- 希望すること(まず相談したい、現物を確認してほしい、など)
TSUKUWEARで製作したものは、品質と進め方の窓口か無料相談のフォームからお知らせください。原則3営業日以内に返信し、写真と記録を確認したうえで、合意した内容と照らして進め方をご相談します。直しや交換などの扱いは、状況と取り決めを確認してからのご案内になります。
次の発注で決めておくこと
着用後の連絡を次からスムーズにするには、発注前に取り決めておくのが近道です。
| 取り決めること | 内容 |
|---|---|
| 連絡の窓口と期限 | 着用後の気づきを、いつまで・どこに連絡するか |
| 記録の形 | 上の記録表を使うことを、着る人にも伝える |
| サンプルの確かめ方 | 見本を実際の洗い方で洗い、刺繍の状態を見る |
| デザイン | 引っかかりやすい長い渡り糸が出ないか、刺繍データの段階で確認する |
取り決めの項目はアパレルOEMで発注前に取り決めること、縫い方と引っかかりやすさの関係は刺繍の縫い方と針数で扱っています。
まとめ
- 糸が浮いたら、引っ張らず切らず、着用と洗濯をいったん止める
- 症状を見分け表の言い方でそろえ、写真は表・拡大・裏・定規の4枚を撮る
- 着用回数・洗い方・心当たりを記録表に残し、複数枚で起きているかを確かめる
- 不良かどうかは、注文前とサンプル承認で合意した内容と照らして判断する
記録表と写真がそろったら、無料相談からお送りください。刺繍の仕様を次の発注で見直す場合は、刺繍×シルクスクリーンのページから進め方を確認できます。