刺繍の縫い方と針数|サテン・タタミ・ランニングで見え方と縫う時間が変わる理由
刺繍の見た目と縫う時間は、主に「サテン」「タタミ」「ランニング」の3つの縫い方と、全体の針数で決まります。針数とは、ミシンの針が生地を刺す回数のことです。
塗りつぶしの面が広いほど針数が増え、縫う時間と費用が増えます。刺繍は1枚ずつミシンで縫う加工のため、針数と枚数に比例して縫う時間が増えます。
針数を抑えたいときは、塗りつぶしを線にする、面積を減らすといったデザインの見直しが効きます。縫い幅などの数値は加工先の機械で決まるため、ご相談時に確認します。
刺繍の3つの縫い方
刺繍データを作るときは、ロゴの部分ごとに縫い方を割り当てます。
| 縫い方 | 縫い目の様子 | 向く形 |
|---|---|---|
| サテン | 糸を左右に渡して並べる。つやが出る | 文字・細めの線・小さな面 |
| タタミ | 短い縫い目を畳の目のように敷き詰める | 広い面の塗りつぶし |
| ランニング | 1本の線で縫い進める | 細い線・輪郭・下縫い |
サテンはつやが出て、ロゴがくっきり見えます。 一方で、幅が広すぎると糸が長く渡りすぎて、引っかかりやすくなります。そのため、広い面はタタミで埋めます。
ランニングは、細い線や輪郭に使います。縫う量が少ないため、針数を抑えやすい縫い方です。
1つのロゴに縫い方が混ざる
実際のロゴは、1つの縫い方だけでは縫いません。
- 文字はサテン
- 背景の面はタタミ
- 細い輪郭や飾りの線はランニング
どの部分をどの縫い方にするかは、刺繍データを作る段階で決まります。データ作成の言葉は刺繍データ(パンチング)とはの「パンチングで使う言葉」にまとめています。
針数が増える仕組み
針数は、主に次の条件で増えます。
| 条件 | 針数が増える理由 |
|---|---|
| 塗りつぶしの面積が広い | 面を埋める縫い目が増える |
| 刺繍全体が大きい | 縫う距離が長くなる |
| 色数が多い | 色の境目で縫い直しや重なりが増える |
| 細かい部分が多い | 短い縫い目が増える |
針数が増えると、次のことが起きます。
- 1枚あたりの縫う時間が延びる
- 数量が多いと、工程全体の日数が延びる
- 刺繍の部分が硬く、重くなることがある
費用の条件としての針数は、刺繍の料金はどう決まる?の「大きさと針数」で扱っています。
針数を抑えるデザインの見直し表
ロゴの印象を保ちながら、針数を抑える方法です。
| 見直し | 例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 塗りつぶしを線にする | 背景の円を、輪郭の線だけにする | ロゴの印象が変わりすぎないか |
| 面積を減らす | 背景の四角を省き、文字だけにする | 文字だけで読めるか |
| 刺繍の大きさを小さくする | 胸のロゴを一回り小さくする | 細部が潰れないか |
| 色数を減らす | 似た色を1色にまとめる | ブランドカラーが残るか |
| 一部をプリントにする | 大きな面はプリント、文字は刺繍 | 2工程になる日程 |
効きやすいのは、塗りつぶしの面を減らすことです。背景の面を省くと、針数が大きく下がることがあります。
ロゴに使用規定がある場合は、形を変える前に、変えてよい範囲と承認者を確認します。色数の減らし方はフルカラーやグラデーションのロゴを刺繍にするにあります。
見積もりで針数を見るときの注意
見積もりや刺繍データの確認で針数が示されたら、次の点を確かめます。
- 針数は、刺繍データを作ってから確定することが多い
- 大きさを変えると、針数も変わる
- 同じロゴでも、縫い方の割り当てで針数が変わる
- 針数を下げた案は、縫った見本で見え方を確かめる
画面のイメージで針数を抑えた案が良く見えても、縫うと印象が変わることがあります。データの画面と縫った見本は、分けて承認します。
相談のときに送るもの
針数を抑えたいときは、ロゴのデータと「優先して残したい部分」を送ってください。
- ロゴのデータ(ai・pdfなど。なければ画像でも可)
- 優先して残したい部分(文字・マーク・ブランドカラーなど)
- 入れるアイテム・位置・大きさ(未定でも可)
- 数量と、必要な日
縫い方の割り当てと、針数を抑える見直しの案をお返しします。返信は原則3営業日以内です。
まとめ
- 刺繍の縫い方は、サテン・タタミ・ランニングの3つが基本
- 針数はミシンの針が生地を刺す回数で、面積・大きさ・色数で増える
- 針数と枚数に比例して縫う時間が増える
- 針数を抑えるなら、まず塗りつぶしの面を減らせるかを見る
- 縫い幅などの数値は加工先の機械で決まるため、相談時に確認する
刺繍の進め方の全体は刺繍×シルクスクリーンのページにあります。ロゴと残したい部分が決まったら、無料相談からお送りください。