アパレルOEMで発注前に取り決めること|仕様変更・不良・遅延の合意チェック表
アパレルOEMのトラブルは、発注前に決めていなかったことから起きやすくなります。仕様の変更、不良の扱い、納期の数え方の3つは、文書に残してから進めます。
残す先は、契約書でも、見積書と注文確認書でも構いません。大事なのは、両者が同じ文面を見て合意していることです。
この記事は、初めてOEMに発注する担当者向けです。合意チェック表を中ほどに載せています。条文の書き方や法的な判断は、弁護士などの専門家に確認してください。
トラブルになりやすい場面
先に、どんな場面で食い違いが起きるかを知っておきます。原因になりやすいのは「言った・言わない」と「前提の違い」です。
| 場面 | 食い違いの例 | 先に合意すること |
|---|---|---|
| 仕様変更 | 色を変えたら費用と日程が変わった | 変更できる締め切りと再見積もりの扱い |
| 仕上がり | 思っていた色と違う | 色の基準と承認の方法 |
| 不良 | どこまでを不良とするか分かれた | 不良の定義と連絡の期限 |
| 納期 | 起算日の認識が違った | 納期をどの日から数えるか |
| 数量 | 届いた枚数が内訳と違った | 数量の確認方法と連絡の期限 |
発注前の合意チェック表
次の表を、発注先との打ち合わせで1行ずつ確認します。右の列には、どの文書に書いたかを記入します。
| 項目 | 合意する内容 | 記録先 |
|---|---|---|
| 仕様 | 品番・色・柄×色×サイズの内訳・加工の位置と実寸と色数 | 注文確認書 |
| サンプル | 作るか、何を確認したら承認とするか | 承認の記録 |
| 仕様変更 | いつまで変更できるか、変更時の再見積もり | 見積書・注文確認書 |
| 不良の定義 | 何を不良とするか、誰が判断するか | サンプル承認時の記録 |
| 検品 | 担当と範囲 | 注文確認書 |
| 納期 | 起算日・確定納期・納品先 | 注文確認書 |
| 遅延 | 遅れが分かったときの連絡の期限と手段 | 打ち合わせの記録 |
| 数量の確認 | 受け取り後、いつまでに数を確かめて連絡するか | 注文確認書 |
| キャンセル | 段階ごとの費用の扱い | 見積書・注文確認書 |
| 支払い | 時期・方法・分割の有無 | 請求書・注文確認書 |
| 権利 | デザインの権利者、第三者のロゴやキャラクターの許諾 | 発注前の確認記録 |
| データ・版 | 追加生産のときの扱い | 見積書 |
| 秘密保持 | 発売前のデザインの扱い | 契約書など |
- 表の項目すべてに契約書が要るわけではない。どこに書いたかが追えればよい
- 「記録先」が空欄の行が残ったら、その項目はまだ合意できていない
仕様変更は締め切りで管理する
仕様変更そのものは、悪いことではありません。問題は、変更できる期限と、変更したときの扱いが決まっていないことです。
- 版や刺繍データを作る前と後で、変更の扱いが変わることがある
- 数量の増減、色の変更、位置の変更を、それぞれ再見積もりの対象にするか決める
- 変更の依頼は口頭でなく、文字で残る手段で送る
TSUKUWEARでは、本生産の開始後のキャンセルはお受けできません。段階ごとの考え方は品質と進め方にまとめています。
不良は「承認した見本」と比べて決める
何を不良とするかは、注文前とサンプル承認の時点で合意します。基準を記事や業者の慣習に任せず、承認した見本と仕様書を比べる形にします。
| 確認項目 | 合意する内容 | 記録方法 |
|---|---|---|
| プリント・刺繍の位置 | 基準にする位置の測り方 | 承認サンプルの写真と寸法 |
| 色 | 何と比べて色を判断するか | 承認サンプルの保管 |
| 汚れ・ほつれ | 見つけたときの連絡方法 | 写真と枚数の記録 |
TSUKUWEARの検品の担当と範囲は、ご注文時に案件ごとに取り決めてお伝えします。検品の項目の作り方は検品基準の作り方、サンプルの確認はサンプル確認のチェックポイントで扱っています。
遅延と納期の取り決め
納期は、どの日から数えるかを最初にそろえます。発注日・入金日・仕様確定日のどれを起点にするかで、届く日が変わります。
- TSUKUWEARの納期は、仕様確定後およそ6〜8週間が目安
- 数量・工程数・時期で前後し、確定納期は見積書と注文確認書でご案内
- イベント日が決まっているなら、その日付と理由を依頼時に書く
遅れが分かったときに、誰がいつまでに誰へ連絡するかも決めておきます。逆算の考え方は制作スケジュールの逆算を参考にしてください。
権利とデータの扱い
デザインの権利と、第三者のロゴやキャラクターの許諾は、発注前に確認します。許諾の有無が分からないまま進めると、途中で止まる原因になります。
- 他社ロゴ・キャラクター・人物の写真は、権利者の許諾を書面で得る
- 版や刺繍データを追加生産でどう扱うかは、見積もり時に確認する
- 権利の帰属や契約条項の解釈は、専門家に相談する
まとめ
- 食い違いは、仕様変更・不良・納期の前提がそろっていないところで起きやすい
- 合意チェック表の「記録先」が埋まるまで、発注を進めない
- 不良の判断は、承認したサンプルと仕様書を基準にして合意する
- 納期は起算日をそろえ、遅延時の連絡の期限と手段を決める