Tシャツサンプル確認のチェックポイント|承認前に見る7項目
サンプルが届いた瞬間は、企画がいちばん形になる嬉しい場面です。同時に、本生産の前に修正できる最後の機会でもあります。
この記事では、サンプルで確認すべき7項目をチェックリストにしました。「なんとなく良さそう」で通してしまうと、100枚すべてに同じ違和感が乗ります。
あわせて、サンプルを「承認する」とはどういう意味なのか、承認後に変更したくなったらどうなるのかも説明します。
サンプル確認の7項目
先に全体のチェックリストです。届いたら、上から順に一つずつ見ていきます。
| 項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 1. 位置 | 指定した基準点からの距離と左右中央 |
| 2. 大きさ | 指定した幅・高さ(mm)と一致しているか |
| 3. 色 | プリント色・糸色がボディの上でどう見えるか |
| 4. 仕上がり | かすれ・にじみ・糸の浮き・引きつれ |
| 5. ボディ | 品番・色・サイズが指定通りか |
| 6. 付属 | タグ・ネームの位置と内容 |
| 7. 着用感 | 実際に着て、硬さや違和感がないか |
一人で見ると見落としが出ます。可能ならデザインを作った人と発注する人の2人以上で確認します。
位置と大きさは定規で測る
「だいたい合っている」と目で判断せず、定規で測ります。指定書に書いた基準点(襟の縫い目など)からの距離と、プリントの幅・高さを実測します。
数mmのズレは製造上の許容範囲に入ることが多いですが、意図と違う位置に見える場合は必ず伝えます。位置の指定方法はプリント位置とサイズの決め方で解説しています。
- 襟の縫い目からプリント上端までの距離
- プリントの幅と高さ
- 左右の中心が身頃の中心と合っているか
- 左胸の場合は中心線からの距離
測った数字は写真とあわせて記録しておくと、本生産後の検品でも同じ基準が使えます。
色は光の下で、ボディの上で見る
画面で見た色と、生地の上に載った色は違います。室内の照明と屋外の自然光でも印象が変わるため、2種類以上の光の下で確認します。
濃色ボディに淡い色を載せた場合は、下地の有無で発色が変わります。想定より暗く見える、ボディの色が透けるといった点は、この段階で相談します。
- 自然光と室内光の両方で見る
- ボディの色との組み合わせで意図通りか
- 複数色の場合、色同士の境界がずれていないか
- 刺繍の糸色が指定した色に近いか
色はデータ通りに再現されるとは限らない前提で、「許容できる範囲か」を判断する場面です。
仕上がり:かすれ・にじみ・糸の浮き
プリントでは、インクのかすれや線のにじみ、細部の潰れを見ます。刺繍では、糸の浮き、生地の引きつれ、文字の判読性を見ます。
刺繍は細い線や小さな文字が省略・調整されることがあります。パンチングの段階で了承した調整と、実物の見え方が合っているかを確認します。
詳しくは刺繍データ(パンチング)とはをご覧ください。
- プリント:線の端が欠けていないか、ベタ面にムラがないか
- 刺繍:糸が浮いていないか、生地が波打っていないか
- 共通:裏側に汚れやインクの染み出しがないか
- 洗濯前と後で見え方が大きく変わらないか(可能なら1枚洗う)
サンプルは本生産と同じ工程で作られるのが基本なので、ここで見えた癖はそのまま本生産にも現れます。
ボディと付属の確認
加工ばかりに目が行きがちですが、ボディそのものも確認対象です。品番・色・サイズが指定と合っているか、下げ札や内側の表示を見ます。
織ネームやタグを付ける企画なら、位置と内容も見ます。付属の種類についてはネームタグ・織ネームの基礎にまとめています。
- ボディの品番と色が注文確認書と一致しているか
- サイズ表示が正しいか
- タグ・ネームの位置、向き、文字の内容
- 生地の風合いが想定通りか(厚み、硬さ)
とくに色は、同じ「黒」でもボディブランドや品番で微妙に違います。事前に生地見本を見ていない場合は、ここが初めて色を確認する場面になります。
「承認」の意味と、承認後の変更
サンプルを承認するとは、「これと同じものを本生産で作ってください」と合意することです。以後、本生産はこのサンプルを基準に進みます。
つまり承認後に「やっぱり位置を変えたい」となると、版や刺繍データの作り直しになり、日数と費用が追加になります。気になることは承認前にすべて出しきるのが鉄則です。
- 承認=本生産の基準を確定する行為
- 承認後の変更は作り直し扱いになることがある
- 小さな違和感でも、まず伝えて判断を仰ぐ
- 修正サンプルが必要かは修正内容によって変わる
修正を依頼するときは、「何を」「どう変えたいか」を数字と写真で具体的に伝えます。品質の考え方と承認の流れは品質と進め方にまとめています。
確認結果の伝え方
確認が終わったら、結果を文章で返します。口頭やあいまいな表現ではなく、項目ごとに「OK」か「修正」かを明記します。
| 伝え方 | 例 |
|---|---|
| 良い例 | 位置OK、大きさOK、色は想定より暗いので下地の相談をしたい |
| 避けたい例 | だいたいいいけど、なんか違う気がする |
修正がある場合は、写真に赤で印を入れて添えると、伝わる速さが変わります。
まとめ
- サンプルは本生産前に修正できる最後の機会
- 位置・大きさは定規で測り、色は2種類の光で見る
- 刺繍は糸の浮きと文字の判読性、プリントはかすれとにじみを見る
- ボディの品番・色・サイズと付属も確認対象
- 承認は本生産の基準を確定する行為。気になる点は承認前に出しきる
サンプルの見方で迷ったときは、写真を添えてご相談いただければ、修正が必要かどうかの判断をお手伝いします。無料相談からお送りください。