Tシャツ・グッズの検品基準の作り方|見る箇所・許容範囲・共有方法
段ボールで届いた数百枚のTシャツを、どこまで開けて確認すればよいのか。検品は「全部見る」と「箱のまま出す」の間で、現実的な線を引く作業です。
この記事では、検品で見る箇所と、どこまでを許容するかの決め方を解説します。基準を先に決めておけば、当日の判断で迷いません。
さらに、その基準を加工先と事前に共有しておく方法まで扱います。基準の共有は、納品後のトラブルをいちばん減らす手段です。
検品で見る箇所
まず、1枚のTシャツで見る箇所を整理します。加工部分だけでなく、ボディ自体にも見る点があります。
| 箇所 | 見るポイント |
|---|---|
| プリント面 | かすれ・にじみ・位置ズレ・汚れ |
| 刺繍面 | 糸の浮き・ほつれ・引きつれ・糸切り残し |
| ボディ全体 | 穴・シミ・色ムラ・縫い目のほつれ |
| 表示・付属 | サイズ表示・タグ・ネームの有無と内容 |
| 数量 | 色×サイズごとの枚数が注文と合うか |
見る順番は「数量 → 表示 → 加工面 → ボディ」が効率的です。数量の間違いは、開梱の段階で気づけるからです。
全数検品か抜き取りか
すべて見る「全数検品」と、一部を見る「抜き取り検品」があります。どちらが正しいかではなく、用途と枚数で決めます。
販売するグッズで返品リスクを避けたいなら全数、配布用で枚数が多いなら抜き取り、という考え方が一般的です。
| 方式 | 向く場面 |
|---|---|
| 全数検品 | 販売用・単価が高い・枚数が少なめ |
| 抜き取り検品 | 配布用・枚数が多い・時間が限られる |
| 折衷 | 各色×サイズから数枚ずつ+気になった箱は全数 |
抜き取りの場合は「どの箱の、どの位置から、何枚取るか」を決めておきます。上のほうの数枚だけを見ても、箱全体の状態は分かりません。
許容範囲の決め方
検品で最も難しいのは「これは不良か、許容か」の線引きです。工業製品と違い、シルクスクリーンも刺繍もわずかな個体差は前提の加工です。
基準がないと、担当者の気分や体調で判断が揺れます。事前に「ここまでは許容、ここからは不良」を言葉にしておきます。
- 位置:指定からのズレが何mmまでなら許容か
- 色:サンプルと並べて、明らかな違いがなければ許容
- かすれ:デザインの判読に影響しなければ許容、線が途切れていれば不良
- 刺繍:糸の浮きが引っかかる程度なら不良、軽微な糸端は許容
- ボディ:穴・大きなシミは不良、糸くずは許容
線引きの基準として一番使えるのが、承認したサンプルです。サンプルの見方はサンプル確認のチェックポイントにまとめています。
基準を事前に共有する
検品基準は、納品後に持ち出すものではありません。注文の前に加工先と共有しておくと、その基準で作られ、その基準で確認されます。
共有の形は簡単で構いません。「位置ズレの許容」「色の判断基準」「不良と判断する条件」を数行で書いたものを、注文時に添えます。
- 許容範囲を数字で書く(mm単位)
- 不良と判断する条件を具体的に書く
- 承認サンプルを基準にすると明記する
- 不良があった場合の連絡方法と期限を決めておく
当社の進め方では、こうした基準を品質と進め方の考え方に沿って注文確認時に整理します。
当日の段取り
検品は人数と場所と時間がかかります。届いてから慌てないよう、段取りを先に組みます。
数百枚を1人で全数検品すると、後半は目が疲れて見落としが増えます。可能なら2人以上で、交代しながら進めます。
- 開梱前に箱数と伝票の内容を照合する
- 色×サイズの枚数を数え、注文の表と突き合わせる
- 決めた方式で加工面とボディを確認する
- 不良候補は別の箱に分け、写真を撮る
- 結果を色×サイズ×判定の表に記録する
枚数の表は、注文時のサイズ配分表をそのまま使うと照合が速くなります。配分表の作り方はサイズ展開と枚数配分の決め方で解説しています。
不良が見つかったときの動き
不良候補が出たら、まず数と内容を整理します。1枚の軽微なものと、全体に同じ症状が出ているものでは対応が変わります。
写真と枚数、症状を添えて連絡します。感情的な表現より、事実を並べたほうが対応が早くなります。
- 症状ごとに枚数をまとめる
- 症状が分かる写真を撮る(引きで1枚、寄りで1枚)
- 承認サンプルとの違いを言葉にする
- 希望する対応(再加工・代替・その他)を伝える
不良の扱いは事前の合意によって変わります。どこまでが対応の範囲になるかは、注文確認書の条件を確認します。
まとめ
- 検品は「数量 → 表示 → 加工面 → ボディ」の順で見る
- 全数か抜き取りかは用途と枚数で決め、抜き取りの取り方も決めておく
- 許容範囲は数字と言葉で先に決め、承認サンプルを基準にする
- 基準は注文前に加工先と共有しておく
- 不良は症状ごとに枚数と写真をまとめて事実で伝える
検品基準の書き方に迷ったら、企画の用途と数量を添えてご相談ください。無料相談から、注文前に共有すべき項目を一緒に整理します。