刺繍の書体と文字の大きさ|社名・英字・漢字を「読める刺繍」にする原稿の作り方
読める刺繍にするには、太さが均一な書体を選び、画数の多い漢字や細い線を避けて、原寸で印刷して服に当てて確かめるのが確実です。文字の大きさは数字で決めるより、着た姿で読めるかで決めます。
刺繍で読める最小の文字サイズは、品番・位置・デザインで変わります。同じ大きさでも、書体・生地・糸で結果が違うため、ご相談時に確認します。
社名をどの表記で入れるかはポロシャツに会社名・社名ロゴを刺繍するで扱っています。ここでは文字そのものを刺繍向けにする方法に絞ります。
刺繍で文字が読みにくくなる理由
刺繍は、糸を並べて線や面を作る加工です。糸には太さがあるため、紙やプリントほど細い線を表せません。
| 原因 | 起きること |
|---|---|
| 線が糸より細い | 線が途切れる・太って見える |
| 線と線の隙間が狭い | 隙間が糸で埋まり、文字が潰れる |
| 生地の凹凸 | 細い線が生地の目に沈む |
| 生地の伸び | 文字がゆがむ |
文字が小さいほど、こうした影響が目立ちます。 大きくできない場合は、書体と文字数の見直しで読みやすさを上げます。ロゴ全体の大きさを原寸で決める手順は刺繍の大きさの決め方にまとめています。
書体の選び方
書体の系統ごとに、刺繍での見え方が違います。
| 書体の系統 | 刺繍での見え方 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| ゴシック体(太め) | 線の太さが均一で読みやすい | 社名・店舗名・名前 |
| 明朝体 | 細い横線が出にくいことがある | 大きめに入れる文字 |
| 英字のサンセリフ(ひげなし) | すっきり読める | 略称・ブランド名 |
| 英字のセリフ(ひげあり) | 小さいとひげが潰れる | 大きめの英字ロゴ |
| 筆記体・手書き風 | 線のつながりが崩れやすい | 大きめに入れる装飾 |
迷ったら、太めのゴシック体か英字のサンセリフから試します。 明朝体や筆記体を使いたい場合は、大きめに入れる前提で検討します。
使える書体の一覧は、加工先の書体見本を確認してからご案内します。ロゴとして書体が決まっている場合は、そのデータを送ってください。
漢字・英字・数字で気をつけること
漢字
画数の多い漢字は、線どうしの隙間が狭くなります。「鑑」「議」「藤」のような字は、小さいと潰れやすくなります。
- 画数の多い字が入る場合は、文字を大きくする
- 社名を英字やカタカナで入れる案も比べる
- 旧字体や珍しい字は、刺繍データを作る前に伝える
英字・数字
英字は、大文字だけのほうが高さがそろって読みやすくなります。小文字の「e」「a」のように中が狭い字は、小さいと埋まりやすくなります。
数字の「6」「8」「9」も同じです。電話番号のような細かい数字は、刺繍よりプリントが候補になります。
文字原稿のチェック表
原稿を送る前に、次の表で確かめます。
| 確認すること | 見るポイント | 済 |
|---|---|---|
| 書体 | 太さが均一か。細い横線がないか | □ |
| 画数 | 画数の多い字が小さく入っていないか | □ |
| 英字のセリフ | 小さい英字にひげがないか | □ |
| 文字間 | 隣の字とくっつきそうな箇所がないか | □ |
| 2行の行間 | 上下の行が近すぎないか | □ |
| 表記 | 正式な社名・略称と一致しているか | □ |
ロゴに使用規定がある場合は、書体を変えたり線を太くしたりする前に、変えてよい範囲と承認者を確認します。規定の最小サイズは会社ロゴをTシャツに入れる前の確認で扱っています。
原寸で印刷して服に当てる手順
文字の大きさは、次の手順で決めます。
- 候補の大きさを2〜3通り、原寸で印刷する
- 入れる位置(胸・袖・キャップの正面など)に当てる
- 写真を撮り、2〜3m離れて読めるかを見る
- 読める中で一番小さいものではなく、余裕のある大きさを選ぶ
- 決めた大きさを、文字の高さか全体の横幅で1つ指定する
印刷用の枠は刺繍サイズの原寸テンプレートが使えます。印刷で読めても、縫うと変わることがあるため、刺繍データの画面と縫った見本の両方で確認します。
確認の進め方は刺繍データ(パンチング)とはの「データの見え方と縫った見本を分けて確認する」にあります。
相談のときに送るもの
入れたい文字と、使いたい書体(またはロゴのデータ)を送ってください。
- 入れたい文字(正式な表記で)
- 使いたい書体名、またはロゴのデータ
- 入れる位置と、原寸で決めた大きさ(未定でも可)
- 上の文字原稿のチェック表で気になった点
読める刺繍にできるかを確認し、必要なら書体や大きさの案をお返しします。返信は原則3営業日以内です。
まとめ
- 読める刺繍には、太さが均一な書体を選ぶ
- 明朝体・筆記体・セリフ付きの英字は、大きめに入れる前提で使う
- 画数の多い漢字や小さい数字は、大きくするか表記を変える
- 文字の最小サイズは品番・位置・デザインで変わるため、相談時に確認する
- 大きさは原寸で印刷して服に当て、縫った見本でも確かめる
刺繍の進め方の全体は刺繍×シルクスクリーンのページにあります。文字と書体が決まったら、無料相談からお送りください。