Tシャツの色あせは日光か洗濯か|見分け方と記録
Tシャツの色あせには、日光で起きるものと、洗濯で起きるものがあります。 見分ける手がかりは、日の当たらない場所と比べることです。
肩や背中だけが薄いなら、日光を疑います。全体が同じように薄いなら、洗い方を疑います。どちらか分からないときは、着た場所・干し方・洗い方を記録して、発注先に送ります。
屋外のスタッフ用にTシャツを配った担当者に向けて、色あせの連絡を受けたときの見分け方と記録の仕方をまとめます。
日光と洗濯の色あせはどう見分ける?
光は当たった面にしか届きません。 そのため、日の当たらない場所と比べると、どちらを疑うかが分かれます。
| 比べる場所 | 日光を疑う見え方 | 洗濯を疑う見え方 |
|---|---|---|
| 肩・背中と脇の下 | 肩・背中だけ薄い | どこも同じように薄い |
| 表と裏返した内側 | 表だけ薄い | 内側も薄い |
| 着た品と未使用の在庫 | 着た品だけ薄い | 着た品だけ薄い |
最後の行は、どちらでも着た品だけが薄くなります。在庫と比べると色が変わったことは分かりますが、原因の見分けには上の2行を使います。
ここで決めるのは「どちらを疑うか」までです。原因を言い切るのは、発注先が現物を見てからにします。
試験では光と洗濯を別々に見る
繊維の試験機関では、光による色の変化と、洗濯による色の変化を、別の試験で調べます。ある試験機関の案内では、次のように説明しています。
「耐光堅ろう度試験」とは、光の作用による色の変化の程度(変退色)を評価するための試験です。
「洗濯堅ろう度試験」とは、家庭での洗濯の作用による「色の変化の程度(変退色)」と「他の洗濯物への色移りの程度(汚染)」を評価する試験です。
堅ろう度(けんろうど)は、色の落ちにくさのことです。光の試験には、紫外線を主に当てる方法(JIS L 0842)と、太陽光に近い光を当てる方法(JIS L 0843)があります。
| 試験 | 結果の表し方 | 数字の向き |
|---|---|---|
| 光(耐光) | ブルースケールで1〜8級 | 大きいほど光に強い |
| 洗濯 | グレースケールで5〜1級の9段階 | 大きいほど色が落ちにくい |
光の試験の級は、試験室の決まった条件で比べた結果です。級を「屋外で何か月もつか」に置き換えることはできません。 着る時間・季節・干し方で、当たる光の量が変わるためです。
プリントのかすれ・色移りとは分けて聞く
「色が落ちた」という連絡には、ボディの色あせ以外のことが混ざっていることがあります。何が起きたかで、見る場所が変わります。
- ボディの地色が薄くなった:上の表で日光か洗濯かを見分ける
- プリントがひび割れた・剥がれた:シルクスクリーンのひび割れ・剥がれの確かめ方を使う
- ほかの洗濯物に色が付いた:Tシャツの色移りで聞くことを確かめる
1枚に2つ以上が起きていることもあります。その場合は、写真を分けて撮ってもらいます。
連絡を受けたら何を記録する?
着た人に聞くことと、手元で確かめることを分けて記録します。
| 記録すること | 記録の例 |
|---|---|
| 着た場所と時間 | 駐車場の誘導・1日6時間 |
| 着た期間 | 4月から7月 |
| 干し方 | 屋外の日なたでつり干し |
| 洗い方と回数 | 洗濯機・週3回 |
| 写真 | 表・裏返した内側・脇の下を並べて |
| 品番・色・サイズ | 配ったときの記録から |
干し方は見落としやすい項目です。日なたに干すと、着ていない時間にも光が当たります。
手元に未使用の在庫があれば、同じ色を1枚、比べる見本として残しておきます。在庫の置き場所に日が当たらないかは、Tシャツの在庫の保管方法で確かめられます。
屋外で着るTシャツは発注前に何を決める?
屋外で長く着ると分かっているなら、色あせの話は注文前にしておきます。決めておくことは次のとおりです。
- 着る場所・時間・季節を発注先に伝える
- 光の試験の結果が要るかを決め、あるかどうかを聞く
- 色の変化をどこまで問題とするかを、サンプル承認のときに決める
- 干し方の案内を、配るときの説明に入れるかを決める
TSUKUWEARのカタログの品番の情報には、光の試験の級の記載はありません。級が必要な案件は、相談のときに伝えてください。
屋外スタッフ向けの品番の選び方は、夏の暑さ対策ユニフォームとスタッフTシャツ・ユニフォームの作り方にまとめています。不良とする境目の決め方は、検品基準の作り方を参考にしてください。
例:屋外イベントのスタッフ80人
例として、仮に屋外イベントのスタッフ80人にTシャツを配り、4か月後に「肩だけ白っぽくなった」という連絡が4件来たとします。
- 4人に、着た時間・干し方・洗い方と、表と内側の写真をお願いする
- 写真で、肩と脇の下の色の差を見る
- 未使用の在庫を1枚出し、着た品と並べて撮る
- 記録と写真をまとめて、発注先に送る
4件とも肩だけが薄く、内側は濃いままなら、日光を疑う材料になります。原因の判断は、発注先の確認を待ちます。
次にやること
- 連絡が来たら、表・内側・脇の下を並べた写真をお願いする
- 未使用の在庫を1枚、日の当たらない場所に比べる見本として残す
- 次の発注では、着る場所と時間を伝え、光の試験の結果が要るかを決める