Tシャツの追加生産と在庫の考え方|初回を絞って追加で寄せる設計
「売れるか分からないから少なめに作りたい。でも足りなくなったら困る」。初回の枚数を決めるときは、誰もがこの板挟みになります。
答えは、初回と追加を最初からセットで設計することです。初回で全部を当てにいかず、追加生産を前提にすると、判断がずっと楽になります。
この記事では、初回を絞る設計の考え方と、追加生産のときに確認すべき点、在庫を持ちすぎないための整理をまとめます。
初回と追加をセットで考える
Tシャツの費用は「ボディ代・版代・加工費・付属費」で構成されます。このうち版代は枚数に関係なく発生する初期費用で、枚数で割ると1枚あたりの負担が変わります。
だからといって初回に大量に作ると、売れ残りが在庫になります。初回は売れる確信のある分に絞り、追加で伸ばすのが、リスクと単価のバランスが取れた設計です。
| 設計 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|
| 初回に多く作る | 初期費用の按分が効く | 売れ残りのリスク |
| 初回を絞って追加 | 在庫リスクが小さい | 追加のたびに手配期間が要る |
費用の構造についてはTシャツOEMの費用の内訳で詳しく解説しています。
初回の枚数を決める手順
初回の枚数は「確実に出る数」から積み上げます。希望的観測ではなく、根拠のある数字だけを足していきます。
例えばファングッズなら、イベントの来場見込みや過去の物販実績が根拠になります。ブランド立ち上げなら、初回の販売経路で捌ける現実的な数です。
- 根拠のある需要(予約・過去実績・確定した配布先)を数える
- そこに上振れ分を少し足す
- 色×サイズに配分し、中心サイズを厚くする
- 追加生産にかかる期間を確認し、追加の判断時期を決める
配分の考え方はサイズ展開と枚数配分の決め方にまとめています。
追加生産で確認する3つのこと
追加生産は「同じものをもう一度」ですが、初回とまったく同じ条件で作れるとは限りません。事前に確認しておく点が3つあります。
| 確認事項 | 内容 |
|---|---|
| ボディの供給 | 同じ品番・色・サイズが手配できるか |
| 版・刺繍データの扱い | 追加時の扱いはお見積もり時に案内 |
| 納期 | 仕様確定後およそ6〜8週間が目安。数量・工程数・時期で前後 |
ボディの色は、品番の中で入れ替わることがあります。限定色や派手な色は供給が止まる可能性が定番色より高いので、追加を前提にするなら定番色を軸にします。
追加生産時の版の扱いは、加工先の条件によって変わります。追加を見込んでいることを初回の見積もり時点で伝えておくと、その前提で案内が受けられます。
追加のタイミングを決めておく
追加生産には手配期間がかかるため、「在庫が尽きてから」では間に合いません。いつ判断するかを、あらかじめ決めておきます。
目安は「残りが何枚になったら追加を検討する」という在庫の線です。販売のペースと手配期間から逆算します。
- 販売ペース(一定期間に何枚出るか)を把握する
- 手配期間中に売れる枚数を見積もる
- その枚数を下回る前に追加を判断する
- イベントが決まっていれば、その日から逆算する
イベント日からの逆算はイベント日から逆算する制作スケジュールで解説しています。
在庫を持ちすぎないための工夫
在庫は場所を取り、資金を寝かせます。持ちすぎない工夫は、初回の枚数だけでなく、企画の作り方にもあります。
| 工夫 | 効果 |
|---|---|
| 色数を絞る | 色ごとの端サイズの余りを減らす |
| 柄を絞る | 柄ごとの在庫を管理しやすくする |
| 定番色を軸にする | 追加生産で同じ色が手配しやすい |
| 予約販売を組み合わせる | 根拠のある需要を先に集められる |
ブランドとして継続するなら、初回は1〜2柄に絞り、反応の良いものを追加で伸ばす形が管理しやすくなります。立ち上げの全体像はブランド立ち上げのページにまとめています。
余った在庫の扱い
どれだけ設計しても、端のサイズは余ることがあります。余りを「失敗」と捉えず、最初から使い道を決めておくと気が楽になります。
- スタッフや関係者への配布に回す
- 次のイベントでセット販売にする
- サイズ違いを組み合わせて親子セットにする
- 数が少なければ記念品として手元に残す
余りが特定のサイズに偏った場合は、その情報が次回の配分の材料になります。売れ方の記録は、追加生産の精度を上げる財産です。
まとめ
- 初回と追加をセットで設計し、初回は根拠のある数に絞る
- 版代は枚数で割れる初期費用だが、在庫リスクとのバランスで決める
- 追加ではボディの供給・版の扱い・納期の3点を確認する
- 追加の判断時期を在庫の線で決めておく
- 色と柄を絞り、定番色を軸にすると追加がしやすい
初回の枚数や追加の組み方は、用途と販売経路を伺えれば具体的にご提案できます。無料相談から、企画の概要を添えてお送りください。